![]() | ペジャール「くるみ割り人形」 (2003/11/27) ロマン(ジル)、小林十市 他 商品詳細を見る |
キャスト:
ビム(息子):ダマース・ティース
エル(母):エリザベット・ロス
マリウス・プティパ(メフィスト):ジル・ロマン
猫のフェリックスウ:小林十市
特別ゲスト(アコーディオン演奏):イヴェット・オルネ
振付:モーリス・ベジャール/マリウス・プティパ
音楽:P・チャイコフスキー
本編(102分)+ドキュメンタリー(22分) 2000年収録
ベジャールの「くるみ割り人形」には、オリジナル版のキャラクター、クララやくるみ割り人形、ドロッセルマイヤー、その他お菓子の国の精たちは一切登場しません。、主人公はベジャール自身の投影であるビム少年。そしてその母、メフィスト=マリウス・プティパ、猫のフェリックスなど、べジャール独自のキャラクターたちが次々に登場しています。
第一幕で描かれるのは、主人公ビム少年の幼い頃の思い出。そこでは楽しかったクリスマス、妹と遊んだ「ファウスト」ごっこ、厳しくも幸せなバレエのレッスン、そして7歳のときに失くした母への愛情などが語られます。成長し、ボーイスカウトに参加したビムは、森の中で一夜を過ごし、夢の中で懐かしい母と再会。物語は二幕へと移り、美しいディヴェルティスマンが繰り広げられます。そこでビムは大好きな母にそれらの踊りを見せ、ともに幸せなひとときを過ごしますが、翌朝目覚めたとき、そのすべてが夢だったことに気付くのです。
面白いのはディヴェルティスマンで繰り広げられる各国の踊り!これがプティパのオリジナル版とは異なる、創意に富んだものになっています。例えばスペインの踊りではベジャールが13歳の頃にあこがれた闘牛士がモチーフになっているし、中国の踊りでは、自転車天国という中国のイメージと重ねた、戦時中のマルセイユの姿が描かれてます。そしてさらに、原版にはないフランスの踊りなるものが加えられていて、これが生のアコーディオン演奏によって繰り広げられる、大変オッサレーなものとなっています。きっとフランス人のベジャールは、各国の踊りにフランスが含まれていないことに、大いに愛国心を刺激されたんでしょうね( ̄▽ ̄;)
唯一ラストのグラン・パドドゥだけは、プティパの振付をそのまま使用していて、それがベジャールのプティパへの敬意を感じさせ、ニクイところです。ただし、金平糖の精の衣装はありがちなピンクや白ではなく、黒!!!!スタイリッシュで格好いいのですが、傍目にはまるで黒鳥のグラン・パドドゥのよーである。
キャストの中でダントツによかったのは、やはり小林十市さん演じる猫のフェリックス!軽やかな猫の動きを、キレのあるステップでチャーミングに演出していて、素敵でした。
そしてジル・ロマン演じるメフィスト=マリウス・プティパも妖艶で格好良かった。正直、イマイチこの役の意味合いがよくわからなかったのですが、ジル・ロマンの不敵な笑顔に思わずクラクラしてしまいました。このカリスマ性はいったいなんだろう。
ところで、このベジャール版「くるみ割り人形」は、夢から目を覚ましたビム少年の元に、スーツ姿の母がプレゼントを持って現れるシーンで締めくくられています。解説書には「幼い頃に母を亡くした」、「すべては夢であったことに気付く」とあったので、冒頭の説明ではそちらのあらすじを引用したのですが、なんか矛盾してますね。パラレル・ワールドになっているんでしょうか。それとも「観客の想像力に任せます」という意思表示???
とにかく、ベジャール自身ビム少年同様、少年時代幾度となく亡き母を想い、彼女の夢を見ては涙して、起き抜けの言い知れぬ切なさともに朝を迎えたのではないだろうか、と邪推し、思わず涙してしまった作品でした。
2008.04.19 ▲
Featuring:
Lisa Pavane
Greg Horsman
Colin Peasley
Elizabetu Toohey
Lisa Bolte With the AustralianOpera and Ballet Orchestra(1993)
Music:Leo Delives
Additional Choreography:Peggy Van Piraagh

オーストラリア・バレエ団の「コッペリア」です。衣装がとっても豪華で、フリル満載。多少ゴテゴテしすぎな感じは否めませんが、乙女チックでかつ華やかです。セットもものすごく凝っていて見た目にもすごく楽しい!!!
パヴァーン演じるスワニルダは、直情径行型というか、“キレたら手が付けられない”系。冒頭からぶりっ子することなく、「この私に挨拶できないっていうの!!!!」とでも言わんばかりにコッペリアに地団太踏みまくりです。また、“麦の穂占い”のシーンでもフランツにかなりの八つ当たり。ただし、とってもチャーミングなので何か憎めないところがあり、コミカルな演技もハマっています。
ホースマンのフランツは完全にスワニルダの尻にひかれてますね。とってもハンサムなんですが、なんか頼りない雰囲気。コッペリウスの罠にまんまとハメられ、べろべろになっている演技はとっても愉快でした。踊り自体もさることながら、小芝居がとっても上手です。テクニックがずば抜けているというよりは、バランスの良いダンサーという感じ。
そして、なんといってもコッペリウス!!!パッと見はいわゆる“老人風”でも“博士風”でもなく、かといってプティ版のダンディな“紳士”とも違った、ただの貧乏なおっさん風なんですが、どうやらこのおっさん、黒魔術にかなりハマっている模様。無数の目がプリントされた趣味の悪いマントを自慢げに羽織り、なにやら怪しげに身をくゆらせています。部屋の中に魔方陣まであったりして、見た目普通のおっさんなだけに余計に禍々しい雰囲気。怖いです。
圧巻なのは人形たちが動き出すシーン。スワニルダが友人たちを引き連れてコッペリウスの部屋に忍び込む、あの場面です。これが、多種多様な人形と仕掛けが次々に登場してとっても面白いんです。
首なし騎士や“猿の惑星”風猿人や軟体系マネキン、胴体だけの仮面風貴族など、シュールな人形たちが好き勝手に動きまくり、超カオスな光景が繰り広げられます。特に胴体だけの貴族クン:・(`▽´)・: (←本当にこんな顔)が、嬉しそうにフランツのゴブレットに睡眠薬をなみなみ注ぐ姿が、シュールでかわいくてクセになります。
難を言えば、コッペリウスのラストに救いがないところが残念です。第三幕にコッペリウスの登場シーンがないので、彼の後日談が全く描かれていないんですね。コッペリウスが領主から金貨を受け取るエピソードもありません。彼の最後の登場は二幕のラスト、ぼろぼろになったコッペリアを抱きかかえ、ワルツを踊るシーン。めちゃくちゃに荒らされた部屋に一人泣き崩れるコッペリウスが、かわいそうで仕方ありません。だから逆に印象的であるともいえるのですが・・・。
また、チャプターが少ないのも少し不便。
オーストラリアのお国柄なのか、ひっきりなしに指笛や拍手が起こり、ムダに盛り上がっているのが微笑ましかったです。あったかい雰囲気のカンパニーですね。
Lisa Pavane
Greg Horsman
Colin Peasley
Elizabetu Toohey
Lisa Bolte With the AustralianOpera and Ballet Orchestra(1993)
Music:Leo Delives
Additional Choreography:Peggy Van Piraagh

オーストラリア・バレエ団の「コッペリア」です。衣装がとっても豪華で、フリル満載。
パヴァーン演じるスワニルダは、直情径行型というか、“キレたら手が付けられない”系。冒頭からぶりっ子することなく、「この私に挨拶できないっていうの!!!!」とでも言わんばかりにコッペリアに地団太踏みまくりです。また、“麦の穂占い”のシーンでもフランツにかなりの八つ当たり。ただし、とってもチャーミングなので何か憎めないところがあり、コミカルな演技もハマっています。
ホースマンのフランツは完全にスワニルダの尻にひかれてますね。とってもハンサムなんですが、なんか頼りない雰囲気。コッペリウスの罠にまんまとハメられ、べろべろになっている演技はとっても愉快でした。踊り自体もさることながら、小芝居がとっても上手です。テクニックがずば抜けているというよりは、バランスの良いダンサーという感じ。
そして、なんといってもコッペリウス!!!パッと見はいわゆる“老人風”でも“博士風”でもなく、かといってプティ版のダンディな“紳士”とも違った、ただの貧乏なおっさん風なんですが、どうやらこのおっさん、黒魔術にかなりハマっている模様。無数の目がプリントされた
圧巻なのは人形たちが動き出すシーン。スワニルダが友人たちを引き連れてコッペリウスの部屋に忍び込む、あの場面です。これが、多種多様な人形と仕掛けが次々に登場してとっても面白いんです。
首なし騎士や“猿の惑星”風猿人や軟体系マネキン、胴体だけの仮面風貴族など、シュールな人形たちが好き勝手に動きまくり、超カオスな光景が繰り広げられます。特に胴体だけの貴族クン:・(`▽´)・: (←本当にこんな顔)が、嬉しそうにフランツのゴブレットに睡眠薬をなみなみ注ぐ姿が、シュールでかわいくてクセになります。
難を言えば、コッペリウスのラストに救いがないところが残念です。第三幕にコッペリウスの登場シーンがないので、彼の後日談が全く描かれていないんですね。コッペリウスが領主から金貨を受け取るエピソードもありません。彼の最後の登場は二幕のラスト、ぼろぼろになったコッペリアを抱きかかえ、ワルツを踊るシーン。めちゃくちゃに荒らされた部屋に一人泣き崩れるコッペリウスが、かわいそうで仕方ありません。だから逆に印象的であるともいえるのですが・・・。
また、チャプターが少ないのも少し不便。
オーストラリアのお国柄なのか、ひっきりなしに指笛や拍手が起こり、
2008.02.20 ▲
![]() | Miniatures (Dol) (2006/08/29) Cera Lazkano 商品詳細を見る Le Ballets de Monte-Carlo Choreographer-Director Jean-Christophe Maillot |
Karyn Benquet/Francescs Dolci/Mimoza Koike/Julien Bancillon/Jerom Maechand/Manuel Renard
MINIATURE2:IVAN FEDELE
Klara Houdet/Andrew Crawford
MINIATURE3:MARTIN MATALON
Jens Weber/Ramon Reis/Evgeni Slepov
MINIATURE4:BRUNO MANTOVANI
Agalie Vandamme/Giora Masala/Rodolphe Lucas/Oliver Lucea/Sean Fitzhugh(The man)
MINIATURE5:GERARD PESSON
Aurelia Schaefer/Chris Roelandt/Asier Uriagereka
MINIATURE6:ANDREA CERA
Samantha Allen/Lisa Jones/Gaetan Morlotti/Gerald Durand/Anton Belis
MINIATURE7:MARC DUCRET
Bernice Coppieters
再生開始5分後には、「ああこりゃ大失敗だったよ・・・」と呟いてしまった作品。このテのコンテンポラリーって、古典モノと違ってストーリー性のないものや、そもそもテーマが具体化されていないものが多いので、結局何が言いたいのかわからないことが多い、というのが正直なところです。コンテ作品を見るようになってまだ日が浅いので、単純に作品の雰囲気がいいとか振付が面白いとか、そんなところでしか感想をもてないのもつらいとこなんですが。
でもそれじゃあレビューとしてはあんまりですし、かといってDVDにはパンフも付いてなかったので公式HP(すごく充実してるので必見です。ただしトップページがフラッシュ仕様になっているのでご注意を!)でマイヨーのコメントをチラ見してみると、
“7人の現代作曲家によって創造された音楽を表現した。これらの作品は、それぞれ異なる7つの世界、7つの感覚と宇宙を表現したものであり、ただバレエのために作曲されたものではない。・・・中略・・・(作品制作の過程は)ひとつのゲームであり、これを私はコリオグラファーとして純粋に楽しむことができた。また付け加えるなら、この作品は我々アーティストにまた別の人生と、未来を提示したものであるといえる。”(超テキトー訳)
ああやっぱりわからない。あえていうなら、「世にも奇妙な物語」とか「あなたの知らない世界」的なことがやりたいのでしょうか。とりあえず雰囲気としては、「見たままに感じろ」系のようです。
で、鑑賞してみてどうだったかというと実は結局やっぱりよくわからなかったのですが、ひとますざっと感想を。

(miniature2より)
miniature1から3は、「もう勝手にしてください」と投げ出したくなるほどの凄まじい退屈さ。とりわけ1なんて冗長にも程があって、早送りしたくなるほどだったのですが、小池ミモザさんが出演していたので最後までなんとか我慢しました。2は至ってありふれた振付、3はとにかく不気味。それでもダンサーのポテンシャルの高さは存分に伺わせる振付構成です。内容の是非はともかくとして・・・otz
作品が面白くなってくるのはminiature4から。
最初は若い男女4人が(不穏な音楽に乗せて)踊っているだけなのですが、そこへ突然、列をなした子供の人形が舞台上に引っ張り出されてきます。「わあ、不気味v」とか思っていると、今度はその人形に引きずられるようにして坊主頭で刺青入りで、しかも紙おむつまでした、尋常ではない様子の男性(The man)が舞台上に歩み出てきます。ときおり立ち止まり、狂気めいた笑顔で意味ありげに若者達を見やりながら、またその場を立ち去っていく男性。すると若者のうちの1人が、突如痙攣を起こしたかのように倒れこみ、そのまま力尽きるのです。そして最後は恐怖に顔を引きつらせ、後ずさりする若者達の様子がクローズアップされ、舞台の幕が下ろされます。
わたしはなんとなく、昨今さんざん叫ばれている人間性の「退化」という言葉を思い浮かべました。非常に不思議で歪んだ世界を見せつけられ、“Miniatures”の中で最も根深いものを感じた作品です。
miniature5は、モンテカルロの花形クリス・ローラントと「シンデレラ」などのタイトル・ロールを踊っているオーレリア・シェフェールの出演ですが、霧がかったような映像効果と暗い照明と変な衣装のせいで、彼らの魅力が半減してしまってる…。
一方miniature6は、全7作品中唯一コミカルな作品。とりわけガエタン・モルロッティの顔芸が見所です。マイヨーが“(自分も含めた)男の愚かさ”を自虐的に描いた作品、という感じ。冒頭で、モルロッティが仲間の1人に「オイ、お前社会の窓開いてるぜ」と目配せした後、こっそり自分のも確認する仕草をするのが面白い。
また、舞台上にスクリーンが設置されていて、そこには床に寝そべった男性陣を、上空から写したような映像が流れています。そのサマは、まるで女性陣を覗き見するべく懸命に塀によじ登っているよう。すると観客は、ちょうどよじ登る男性陣の姿を、正面と真下から同時に見るようなかんじになります。
ああ、訳がわからなくなってきたotz とにかく、スクリーンと舞台両方を使った興味深い作品です。何年か前にNHKの「現代バレエはどこへ」という特番で、「スクリーンを使った斬新なバレエ!」と紹介されていたような気がするのですが…(その番組では他にモナコ国際ダンス・フォーラムの様子や、マリシア・ハイデの名脇役ぶりレポート、キリアン作品などの紹介がされていました)記憶違いかもしれません。たしか録画した記憶があるので、もし確認がとれましたら、追記の部分でひっそりと報告を
そしていよいよminiature7。マイヨーのミューズ、ベルニス・コピエテルスの登場です。DVDのパッケージ写真にもなっているこの作品は、ある人物画(無知なので誰の作品なのかわからないのですが・・・)をモチーフに、その絵画の中の世界を描いたよう。
コピエテルスはパケ写ではレオタードを着ていますが、作品の中では限りなく肌色に近い下着のようなものを身に着けているのみで、遠目で見るとまるで裸のように見えます。でも全然いやらしくない。鍛えられた素晴らしい肉体は、まさに芸術そのものです。その完璧さときたら、例えばロダンの彫刻を思い起こさせる素晴らしさで、初めてギエムの脚を見たときのような感動がありました。彼女を観れただけで買った価値がありました。
それにしてもマイヨーの作品って、結構当たり外れがあるような気がします。鬼才というかそれとも奇才というべきなのか、彼の作品は良くいえば斬新ですが、悪くいえば奇抜で悪趣味。わたしも基本的にはマイヨー作品がとても好きなのでが、稀に「生理的にだめだ・・・」と思うこともあります。ハマるときにはハマるんだけど、だめなときには嫌悪感に近いものを感じてしまうというか。たとえばわたしの場合、「シンデレラ」や「ロミオとジュリエット」、「くるみ割り人形サーカス」はとてつもなくハマりましたが、「La Belle」は結構きつかった。なにかグロテスクなものを感じるのです。まあそこが魅力でもあるんですが・・・。
2008.01.18 ▲
![]() | ミラノ・スカラ座バレエ団「白鳥の湖」(全4幕/ブルメイステル版) (2005/07/21) 商品詳細を見る |
キャスト:
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハロワ
ジークフリート王子:ロベルト・ボッレ
ロットバルト:ジャンニ・キズレーニ
道化:アントニーノ・ステラ
王女:サブリナ・ブラッツォ
王妃:フラヴィア・ヴァローネ
パ・ド・カトル(第一幕):ベアトリーチェ・カルボーネ/アレッサンドロ・グリロ/マリア・F・ガリターノ/ミック・ジェニ
振付:ウラジミール・ブルメイステル/レフ・イワーノフ(第2幕)
2004年ミラノ・アルチンボルディ劇場にて収録
ブルメイステル版があまり好みでないのと、同じくミラノ・スカラ座版「ジゼル」の悪夢のような記憶(実際は「ジゼル」の方が後から発売されたものですが)が鮮明に残っていたので、正直まったく期待していなかったのですが、これはすごく面白かった!
とりわけ
そしてなんといってもザハロワの素晴らしさ!いま白鳥を踊らせたら、彼女の右に出るバレリーナはいないんじゃないでしょうか。 彼女には、なにか絶対的な美のようなものを感じます。
以前には「淡白で冷たい印象」と評されたこともあったようだけれど、少なくともこの作品では、叙情的でカタルシスに富んだオデットという役柄と、妖艶で悪魔的なオディールを、みごとに演じ分けていたと思います。特にラストが素晴らしかった!ブルメイステル版はハッピーエンドで終わるのですが、人間の姿に戻ることができたオデットの言い尽くせないほどの喜びが、たった1分間の静かな演技の中に凝縮されていて、それがチャイコフスキーの素晴らしい音楽とも相まって、ザハロワ贔屓の私には本当に涙、涙、の感動モノでした。
ちなみに、特典映像のインタビューの中でスカラ座の舞踊監督フレデリック・オリヴィエリも、「彼女は世界ナンバーワンの白鳥だぜ!」と意気込んだ様子で評しておられました。「世界ナンバーワン」だなんてまるでオリンピック評ですが(笑)、わたしも同感です。ああでもロパートキナもいいな、セミオノワの白鳥も観てみたいetc・・・
また、ブルメイステル版では非常に重要な役どころとされている道化を、スカラ座のアントニーノ・ステラが素晴らしく軽妙に演じていてとてもよかったです。ステラは小柄ですが存在感は抜群で、その上身のこなしが軽いこと軽いこと!道化という役柄もあって舞台メイクが凄いことになっていましたが、愚かながら愛嬌たっぷりな演技で目が離せませんでした。
ブルメイステル版の難をひとつ挙げるとすれば、黒鳥のパドドゥの音楽がチャイコフスキー・パドドゥの曲にすげ替えられていること(黒鳥の曲は、第一幕で王子と王女のパドドゥに使われます)でしょうか。黒鳥の妖艶なアダージオがめちゃくちゃ好きな私は、「ぽっと出の王女に勝手に“黒鳥”を使われちゃたまらないぜ」とどうしても思ってしまうのですが、そこはそれザハロワ姫がチャイパの曲に乗せて素晴らしい踊りを披露してくれたので、今回はそれほど気になりませんでした。完全にザハロワ贔屓です。
舞台美術や衣装も洗練された豪華さで、とっても素敵。なんでも美術監督ロベルタ・ディ・バーニョが今回新たにデザインした、力に力を入れた作品なんだとか。バレエ舞台にありがちな重厚すぎる感じはなく、おとぎ話のふわふわした軽さを演出した、幻想的だけれどとても優しい雰囲気の舞台になっています。
また、特典映像(12分)では監督のインタビューのほか、リハーサル風景も見ることができます。ダンサーの素顔を見ることができて、とても貴重な映像です。素顔といえば、ノーメイクのザハロワは、舞台メイクをしているときよりずっと綺麗だと思いました。
いやはやそれでもなんでも、
2008.01.13 ▲
![]() | The Dream 真夏の夜の夢 (2004/08/04) アメリカン・バレエ・シアター 商品詳細を見る |
キャスト:
タイターニア:アレッサンドラ・フェリ
オーベロン イーサン・スティーフェル
パック:エルマン・コルネホ
ボトム:フリオ・ブラガード・ヤング
ハーミア:ステラ・アブレラ
ライサンダ−:カルロス・モリナ
ヘレナ:マリアン・バトラー
デメトリアス:イーサン・ブラウン
振付:フレデリック・アシュトン
原作:ウィリアム・シェイクスピア
舞台演出:アンソニー・ダウエル
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン
2003年7月オレンジ・カウティー・パフォーミング・アーツセンター
フェリももちろんかわいかったけれど、この作品は男性陣の活躍ぶりがすごい!!!特に作品終盤のコーダで見せる、オーベロンとパックの超絶技巧の数々!小刻みで俊敏なステップと、高度な回転技が連続していて、見ていて全く飽きません。特にパック役のエルマン・コルネホは、まるで空中で一瞬止まっているかのような弾みある跳躍と軽い身のこなしで、お茶目な妖精を完璧に演じきっていました。スティーフェルもさすがのプリンシパルの輝きで、まぶしいくらいの美しさ。こんな
また、ボトム役のダンサーがロバの場面でポワントで踊っていて、それがロバさんのかわいいおみ足を連想させてとてもよかったです。パドドウで男女両方ともトゥ・シューズ履いてるのって珍しいし。着ぐるみかぶったままポワントで後方にパ・ド・ブレしてたりして、よくできるなーと思わず感心しました。昨夜の「美女と野獣」でも思ったのだけれど、着ぐるみなんてかぶってたら、ふつう平衡感覚狂いますよね?さすがだなあ。
ほかにも、喜劇を盛り上げるコミカルな演出が多くて、とても楽しかった。たとえば、恋の妙薬の影響でハーミアたち4人がひと悶着起こすシーン。ヘレナを奪い合うなか、勢いあまってライサンダーとデメトリアスがキスしちゃったり、女同士ビンタのやりあいになっちゃったりして、思わず笑ってしまいました。
そしてなんといっても、若者4人を「なんてこった!」という顔で見守るオーベロンの姿が面白かわいい!計算狂いの恋の結末を目のあたりにし、ワナワナと怒りに震え、挙句パックに八つ当たりまでするスティーフェル。
また、恋の妙薬@ロバ-ボトムの場面で、タイターニアが妖精の召使いたちを呼び出して、「私の想い人を、どうぞもてなしてさしあげてちょーだい」みたいなことをやるのですが、その想い人とやらを一目見た瞬間、妖精たちがそろってハッと口に手を当て、「ロバかよ!」という表情をするのが面白かったです。
ラストのタイターニアとオーベロンのパドドゥも、幻想的でとても綺麗(怒涛のコーダの直後なので、スティーフェルは完全に体力消耗しきっているようにも見えますが…)。ここの部分の音楽がとても好きです。53分と少々短めの作品ですが、大満足です♪
2008.01.09 ▲







