キャスト:
ベル:佐久間奈緒
野獣:イアン・マッケイ
ベルの父(商人):デヴィッド・モース
ベルの姉:ヴィクトリア・マール/シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション:ドミニク・アントヌッチ
ワイルドガール:アンブラ・ヴァッロ
雌狐:平田桃子
カラス:山本康介
木こり:ジョナサン・ペイン

音楽:グレン・ヴュアー
振付:デヴィッド・ビントリー
       
            2008年1月8日(火)東京文化会館

当初ベルを踊るはずだったエリシャ・ウィリスが足を怪我したということで、急遽佐久間奈緒さんがベルの代役を務めました。別にそれはいいんですが、もともと佐久間さんが踊る予定だった7日に加え、実は6日もウィリスの代役でベルを踊ったらしいので、なんと脅威の3連荘。佐久間さん、体力的にかなりきつかったのでは…(涙)。そんなハードスケジュールばっか組むから、怪我するダンサーが出るんじゃないの…とか思ったり。というか、別キャストで見たくて2日分チケット買った観客からは、ブーイングの嵐でしょうね。N○S、日本の観客をナメてるな。日本のバレエファンがロイヤルというネームバリューだけ見て、テキトーにチケット買ってると思ったら大間違いなんだぜ。

-----あらすじ-----

index-top2.jpg
(NBS公式ページより)

プロローグ
ある日、王子と友人たちが森へ狩りに出かけると、どこからともなく1匹の雌狐が現れた。そこで王子たちが雌狐を仕留めようとしたところ、木こりが止めにる。木こりは雌狐を自分のマントに隠し、炎のような髪をした少女(ワイルドガール)に変えた。それを見てたじろぐ王子たちを、怒りに震えた木こりは野獣の姿に変えてしまう。王子たちの心は、まるで野獣のようだったからだ。

第一幕
舞台は商人(ベルの父)の家。仕事に出かける商人は、3人の娘達にお土産は何がよいか尋ねる。2人の姉はドレスや宝石をねだるが、ベルはたった一輪のバラを頼む。(一場
激しい嵐に襲われ、すっかり道に迷った商人は、不気味な無人の城へと逃げ込む。そこで彼は見えざる手に料理や飲み物をふるまわれる。翌朝城を後にしようとした商人は、ベルとの約束を思い出し、彼女のためにバラを手折るが、そのことで野獣の怒りを買ってしまう。しかし、商人に娘がいることを知った野獣は、彼の命を見逃す代わりに、ベルを自分のもとに住ませることを約束させる。(二場)
帰宅した商人から事の顛末を聞かされたベルは自分の運命に思い悩むが、父を救うため決意を固め、城へと向かう。城の時計が9時を知らせると、野獣が姿を現す。(三場)

第二幕
ベルが城に来てからというもの、野獣は毎晩彼女に求婚していた。ベルはそのたびに断ってはいたが、いまや野獣の容貌にもすっかり慣れ、彼の優しさを身にしみるほど感じていた。
しかし、その一方で父を恋しがるベルを気遣い、野獣はいったん彼女を家に戻してやることに決める。彼はベルにバラを手渡し、花が枯れるまでに戻ってくるように告げる。(一場
ベルの家では結婚式の準備が行われている。姉2人のどちらかが、金持ちの商人コション(豚の意)と結婚することになっているのだ。はたしてどちらが花嫁の座を射止めるのか。だがしかし・・・・・・・・!(二場)
城に取り残され、ベルに恋焦がれる野獣。彼女は二度と戻ってこないのでは、という疑念に苦しみ、月日が経つにつれ彼は衰弱していく。一方、姉達にだまされ家を出ることができなかったベルは、野獣の死の間際になってようやく城に戻ることができた。
瀕死の野獣にひざまづき、愛を誓うベル。すると再び木こりが現れ、野獣は美しい王子に姿を変える。恐ろしい呪いは、2人の愛によって解かれたのだった。(三場)
-----      -----       -----        -----       -----        -----


なんだかすごく中途半端な舞台でした・・・。ディズニー映画でもよく知られている「美女と野獣」をどう料理するのか、かなり期待していたために、余計にがっかりしてしまいました。
なんというか、しょぼいミュージカルみたい。「キャッツ」とか「ライオン・キング」とか、あのテの被り物系統…。クラシック・バレエとしての見せ場がとても少ないのです。ポワント履いたまともな踊りがあるのはベルとワイルドガールくらいで、あとは被り物隊やラインダンス隊が飛んだり跳ねたりしているだけなので、クラシック好きにはとてもつらい。逆に、ミュージカルは好きだけどバレエはそんなに・・・という人には向いているかもしれません。
音楽も一本調子で盛り上がりに欠けるし、なにより、第一幕三場の野獣とベル初対面シーンの曲が、安っぽいサスペンスドラマの殺人動機回想シーンみたいな曲だし、しかも主人公が被り物かぶってる時点で、コントにしかみえないのである。
まあ、「美女と野獣」という、登場人物が獣ばっかりな作品を選んだところから悲劇は始まっていると思うのですが

舞台装置は非常に豪華。豪華なんだけれど、照明演出がずっと暗いかんじなので細部までよく見えないうえ、一点集中豪華主義なので、全体でみると非常に寂しい印象を受けます。お金はかけてるんでしょうけどね・・・。
ただひとつだけ、ベルの父が城を訪れる場面で、ひとりでに椅子が動いたり、カップにお茶が注がれたり、料理の皿がテーブルの上を滑ったりする演出は、本当にディズニー映画みたいで面白かったです。でもやっぱり照明暗すぎてよく見えない。オペラグラス覗いてなかったら気づかなかったかもotz
ついでに照明が薄暗いのと、どいつもこいつも被り物かぶっているせいで、どれがソリストのカラスなのかあんまり見分けがつきませんでした。カーテンコールで出てきたときは、「誰あれ?」状態。山本さん、ごめんなさい。

もうぼろくそ状態ですが、やっぱりディズニーのイメージが強すぎるのが敗因なんじゃないかと思います。たとえばこの演出を、ディズニーのあの曲で見ることができたら、かなり面白い舞台になるんじゃないかと(もちろん実際には無理だけど…)。コミカルな笑える部分もあるし、野獣が王子の姿に戻るシーンはやっぱり感動的だったし(というか、王子役のイアン・マッケイがあまりにも格好いいので、みょーにラストに説得力がありました。なんて不純な…)。
ついでに、何がなんでも登場人物たちに被り物かぶせる必要はなかったんじゃないでしょうか。ピーター・ラビットの映画といい「眠れる〜」の演出といい、イギリス人は被り物好きなのね。

ただ、会場にいた人たちの感想を盗み聞きしていたところ、「すごく面白かった〜」とか「感動した!」という声がちらほら聞こえたので、単純に私の好みでなかっただけかもしれません。わたしとしては、隣に座っていた金髪のイマドキ風兄ちゃん(1人で観に来ていた。しかも超ラフな格好で)が、見かけによらず(失礼)とても礼儀正しい好青年だった上、カーテンコールで力強い拍手を送り続けていたことの方が、よっぽど感動したんですが。兄ちゃんがこのブログ見てたらどうしよう。すみません、他意はないんです。まあ「美女と野獣」の舞台ですし、人を見かけで判断してはいけませんね。


2008.01.08